上海アリス幻樂団が当日委託をしない事について考える

最初に断っておきますと、批判的な考えはあんまり無いです。
単に何故なんだろうという自問を書き起こしてみただけです。


同人ソフトでありながら、多くの二次創作を生み出した東方Project
月姫みたいな作品だったらリスペクトも多かろうと思ったが、正直、この作品を知った時点*1
STGの同人がこれほどの規模*2の二次創作を生み出すとは想像出来なかった。


この夏にまた新作が出るが、当日委託はされず、例年通り1ヶ月以降での委託になるようだ。
(ちなみに前作、風神録が出た後には「今後は当日委託も検討」との考えもあったようだ)
大多数のファンはこれを早く欲しいだろう。
しかし、そのうちのほとんどのファンは店舗委託待ちとなる。
いまやそれほどに多い。
ファンも様々で音楽や動画から入った人も多い。
単純に新作STGをやりたいというより、新作ネタを仕入れたいが為に買う人もいるだろう。
競争率は高まり、STGが好きで東方STGが好きだという人の多くもあぶれる事になるだろう。


全ては同人だし、作者の自由である。
他者の都合で方針を変える理由はほとんどない。
でも、そこに作者は何を考えているのだろう。


やはり考えられるのは、同人に対するポリシーだ。


同人は本来即売会で配布されるべきであり、当日委託はこの方針を希薄にしてしまう。
なので当日入手は即売会会場のみとし、店頭委託は後日とする。
店頭委託はあくまで救済策。
こんな考えを持っているのではないだろうか。
この一線を越えてしまったら、それはもはや商業と同じと考えているのではないか?


通常なら突き通して良いし、あって良い考えだし、賛同も出来る。
でも、そのポリシーを突き通すのも限界に来ているのではないかと思う。
もはや異常であるからだ。
恐らく、初期の頃にもっとも対象にしていたであろう「STGを楽しんでくれる人」が
そこに無くなって来ている。
無くなって来ているというのは言い過ぎか。その風景が霞んできている。


全く根拠の無い推論だが、作者は一時、盛り上がり過ぎた*3感を嫌って、色々難しい話
を出し、話的な敷居を更に高めて、煙に巻こうという考えを少し持った時期が
あるように思える。
本来のSTGもなかなか出なかった*4ので少し熱が冷めるはずだった。


でも幸か不幸かそんな時に動画で盛り上がってしまった。
東方はSTGなど関係無いところで、今まで以上に知る所となった。
大きな波で軌道修正の機会を失った。


話を戻す。
もはや異常である。
ゲームファンからすればコミケドラクエやFFの新作が売られる事となんら変わりは無い。
ファンがその新作をいち早く欲しいと言うのもエゴだが、ポリシーを突き通したいという
のもまたエゴだ。
どちらのエゴが優先されるべきか?
当然、作者のエゴだろう。同人なのだから。


でも、そこに何があるのだろうか?
初期の頃と同じものがそこにあるのだろうか?
作者が見たかった風景がそこにあるのだろうか?

                                           
                                           

*1:第2回東方シリーズ人気投票くらいの頃

*2:過去のLeafに迫るサークル数だそうで

*3:永夜抄

*4:花映塚文花帖大空魔術、幺樂団の歴史